3.シリーズ(本冊・副教材)

『できる日本語』シリーズは、現在12冊出版されています(2017.11.21現在)。
※中級の副教材(ことば・表現)近刊予定です。

まずは、

12冊の全容をお見せして、副教材について簡単に説明を加えます。

中級に関しては、現段階では本冊のみとなります。
『たのしい読みもの55』は、初級と初中級が1冊に収められています。

ここで、

本冊の名前の付け方について説明したいと思います。

「初級」=いわゆる初級前半レベル
「初中級」=いわゆる初級後半レベル

文法・語彙の項目という意味では、初級1,2ということになりますが、コミュニケーション能力という観点からは、初級後半ではなく、「初中級」と考えました。この方式で学習することによって、言語的知識の習得はもちろんですが、コミュニケーション能力を養うこともできるのです。

「本書をお使いになる方へ」の2ページにも記されていますが、OPI(Oral Proficiency Interview)を大勢の学習者に実施し、データを得た結果をもとにして考えられた目安・学習時間などをご紹介したいと思います。なお、学習期間に関しては、毎日4時間、週20時間学ぶ日本語学校の場合をベースにしていることを付け加えておきます。

ただし、学習期間や学習時間数は、日本語学習機関での平均的なクラスの場合ですので、
さまざまな条件によって異なることを付け加えておきます。

『漢字たまご』と『たのしい読みもの55』に関しては、別途項目を立てていますので、ここでは、『わたしの文法ノート』『わたしのことばノート』『教え方ガイド&イラストデータCD‐ROM』の3点について記します。

1、『わたしの文法ノート』

基本的には復習用として作られています。
学習項目、行動目標は『できる日本語 初級本冊』のシラバスに準じています。

1課は、初級では4つのパート、初中級では5つのパートから出来ています。
(※ 初中級では「四葉」が加わります)

<初級の場合>

<初中級の場合>

初中級では、「双葉」の後に「四葉」があります。すべての課ではありませんが、必要に応じて設置しています。「双葉」は基本的には宿題として自宅学習していますが、「四葉」は文法項目の整理ですので、授業で一緒にやることが多いのが特徴です。
こうして『できる日本語』では、必要なところでしっかり文法項目の整理をし、使えるように工夫しています。

では、「四葉」についてもう少し説明を加えましょう。
四葉は複数の用法がある学習項目を比較して、意味・用法の違いを整理するための練習問題です。「~たら」は初級15課(仮定)、初中級3課(確定)、初中級5課(発見)と3回に分けて出てきます。そこで、最後に出た5課で「四葉」として整理されることになります。

2.『わたしのことばノート』

基本的には復習用として作られています。本冊の各課が終了したら、『わたしのことばノート』を始めます。できる日本語』で学習する語彙を自分で整理し、運用能力を身につけることができます。

大きく、「A.1~15課、 B.復習  C.もっと覚えたい人のために」の
3つに分かれています。

A.1~15課

1課は、3つのパートから出来ています。

① みんなで話そう!
既習語彙と関連させながら、その課で学習する語彙に注目するパートです。
名前のとおり、学習者と教師が一緒に話をしながら、語彙の定着を図りま
す。新出語彙を何度も使って話すことで自然に覚えることができます。た
だ単語で言うだけではなく、文で話すように意識することも大切です。

② 確認しよう!
その課で学習する語彙の定着を図るパートです。

 

③ もっと覚えよう!
その課に関連した場面・トピックで、関連語彙・表現を広げるパートです。
学習者と教師が一緒に話をしながら進めます。場面・トピックに関連した
語彙表現で他にもその場にいる学習者に必要なものがあれば、それを紹介
して「私のことば」を広げていきます。

B.復習

1~15課で学習した語彙を品詞などでまとめた復習問題です。

C.もっと覚えたい人のために

学習者にとって身近な6つの場面で必要となる語彙・表現を学びます。

3.『教え方ガイド&イラストデータCD―ROM』

  • 各課の流れと構成
  • 1~15課の教え方ガイド
  • CD-ROM
    a)本冊に収められているイラストがすべて1枚のCDに収められています。
    初級本冊= 1,033点のイラスト
    初中級本冊=1,042点のイラスト

※「教材の組み合わせ」コーナーで、詳しくお話ししますが、ここでも簡単に触れておきましょう。

  • イラストは、クラスのサイズに合わせて拡大して使用することができます。また、パワーポイントにイラストと音声とを張り付けて使用する方法もあります。ニーズや状況に合わせてお使いください。
  • イラストは、自由自在に大きさを変えることができますので、練習プリントやテスト作成にも有効に活用することができます。