実践報告&現場の声

(中級)『できる日本語中級』4課【できる!】・5課実践報告

友国際文化学院 パウンド志穂・矢能美帆

友国際文化学院で行った4課【できる!】・5課を皆様とも共有したく紹介させていただきます。

従来からの問題点:

4課は「地域の暮らしに必要な情報を得て快適な生活を送ることができる」が行動目標になっている。ただ、今まで地域の情報といっても留学生の関心は低く、興味を引き出したり、学生だけでは地域の施設を実際に利用するに至らないという悩みがあった。

活動のねらい:

学生の地域施設への興味を引き出し、実際に施設を利用する。

学生の主体的に学ぶ姿勢を生み出す。

学生情報:

国籍・人数:モンゴル8、ベトナム3、中国1 合計12人

レベル:B1.1

日本語学習期間:1年4か月

『できる日本語中級』授業時間: 週4日、1日3コマ(1コマ45分)

実践した内容:

4課タスク3_やってみようで調べた内容を【できる!】で実施。さらに5課につなげる手法をとった。

 関連箇所

 4課タスク3:地域にある施設の利用案内を読んで情報を得ることができる。

 4課【できる!】:地域にある便利な施設を調べて利用する。

 5課タスク1:地震や台風などの速報を聞いた時、必要な情報を得ることができる。

 5課タスク4:避難の際の注意事項を読んで情報を得ることができる。 

実践方法:

以下に示す。

<4課タスク3から5課タスク4までの流れ>

事前準備防災館は予約が取りづらいため2か月前に予約を取っておく。  

日目
4課タスク3_チャレンジ、使ってみよう  

日目

4課タスク3_やってみよう
池袋防災館のHPを読んで情報を得る。(グループ活動)


https://tokyo-bskan.jp/bskan/ikebukuro/  
Web予約方法>利用案内>防災体験ツアー>予約について  

条件:授業時間内に行けるツアー。

1)トップページに企画ツアーがある。学生はそれぞれについて検討。
●「ショートツアー」: 終わる時間が早いので採用されなかった。  
●「新米パパ&ママのための応急手当講座」:親ではないので参加不可                      ●「外国人のための防災体験(優しい日本語)」:開催日が日曜日のため採用されず。

2)「基本ツアー」 (地震体験・煙体験・消火体験) に決定。
    平日午前授業時間内に行けるため。
3)選択体験を「救急体験(AED)」に決める
    VR・映画は一人でもできるため採用されなかった。
4)付随する内容確認
・定員:30人
・外国人の定員:日本語が分かるか心配な人は通訳と一緒に。
    その場合は20人定員
    →通訳は必要か否かをクラスで検討→要らない。
・時間:9:20からのコース
  授業時間内に行くなら 午前中のコースということで決まる。
・予約:私たちで予約したいと学生からリクエストがあった。
・料金:入場無料
・場所:メトロポリタンの近くということが分かった。  
3・4
日目

5課タスク1_チャレンジ、使ってみよう_地震速報

9日目の

4課【できる!】

実施日に池袋防災館で実際に地震体験をした。  
5・6
日目
5課タスク2_こんなときどうする? 
7・8
日目
5課タスク3_こんなときどうする?

日目

4課【できる!】実施

1) 「池袋防災館」へ体験訪問
 
2)  当日振り返り
 
学生振り返りシートより
・いつもハンカチを持っているようにします
・消火器を家に買っておきます。
・消火器の場所を確認します。
・高いところへ行くとき 非常口マークを確認します。
・いい練習になった。
・地震や火事があったとき、何をするか、AEDの使い方を習った。
・自分を守る方法を学んだ。
 
3)  後日 教室での振り返り 口頭で
国で学んだことがあった学生もいたが、煙のある場所での避難方法や、AEDの使い方、震度6体験から多くの学びがあったと学生からの声があった。
10
日目

5課タスク4_チャレンジ_避難訓練のお知らせ  


5課タスク4_チャレンジ!「避難訓練のおしらせ」では 4課のできる!で防災館へ校外学習していたことが大きく生きた。 チャレンジでもやってみようでも防災館で体験したことを言語化することができた。

検証:

4課タスク3_やってみようで池袋防災館のホームページを読んだが、実際に行くために調べるとなるとあいまいに読んでいたのでは何も決めることができない。学生がHPを読んでいく姿勢は真剣そのものだった。自分の理解できた情報をクラスメイトと交換し合って理解を深め、話し合ってクラスとして何をどのようにするか自分たちで決めていった。

4課【できる!】実施当日も何をするかわかっているため学生は主体的に課題に取り組んでた。

5課タスク4_チャレンジ!「避難訓練のおしらせ」では 学生からも池袋防災館で体験した通りだと感想が出ていたし、実際に理解もとてもスムーズだった。 

また 4課【できる!】実施日直前に教師の方で東京芸術劇場も行程の中に加えたが、ここでも期待以上の結果を出すことができた。

1)「東京芸術劇場」が何をするところか確認した後建物内に入る。

2)エスカレーターのデザインに興味を持った学生から5階に行ってみようという提案

  がでて、クラスで移動

3)5階には ロビーに美術品が展示されていて、学生は美術品を鑑賞、感想などを言

  い合っていた。

4)ギャラリーでは無料で写真展示会を鑑賞

   これは 4課タスク4_チャレンジ!_公民館の内容も体験できるような訪問になった。

以上のように今回の活動を通して、学生が施設に興味を持ち、自ら体験をしようとする学びを作り出すことができたと感じている。

反省:

当日振り返りは防災館で職員の方の目を気にしながら行ったが、東京芸術劇場の5階スペースで行ったら、もっとゆったりとできた。

関連記事