実践報告&現場の声

(初中級)「なかの国際交流フェスタに参加!~初中級4課「よく行くところ」~」


先日、中野区国際交流協会主催の「なかの国際交流フェスタ」が行われました。対面での開催となった今回のテーマは「ウクライナ  会いに行こう」です。様々なステージ発表や出店など、とてもにぎやかに行われました。

そして、わたしたち、イーストウエスト日本語学校からも、4組が参加しました。

今回はクラスで参加した発表(初級4課、初中級4課)をレポートします。初中級4課「住んでいる町で」の発表は初中級実践報告をご覧ください。

他詳細はイーストウエスト日本語学校のFacebookも一緒にどうぞ。

⇒ https://www.facebook.com/people/East-West-Japanese-Language-School/100063655268735/


では、初中級4課「住んでいる町で」のできる!の発表についてお話したいと思います。

2⃣ A7クラス有志 「よく行くところ」発表(初中級4課)

A7クラスは有志の学生が初中級4課の「よく行くところ」を発表しました。しかし、発表に至るまで教師間、教師と学生間でさまざまなやり取りが行われました。

◆参加に至るまで

A7クラスは3人の教師が担当しています。校内でのなかの国際交流フェスタ参加募集を聞いて、一人の担当教師が学生に「参加してみますか?」と呼びかけたところ、“うんうん”と目がキラキラする学生が! それを見て、メールの引継ぎで「参加したいと思っている人が何人かいる。用事があって参加できない人もいるが、参加できる人でクラスとして参加するのはどうか」と提案しました。

 しかし、翌日聞いてみると反応はイマイイチ…。そのやり取りを見て、担任を中心に学生1人1人の気持ちをよくよく聞いてみることにしました。すると、実際に用事があって参加できない人もいましたが、参加を躊躇している学生は「実際に何をするのかイメージできないから怖い」と伝えてくれました。

 そこで担当教師陣、教務の先生方とも話し合い、まずはそのとき学習していた4課のゴール「できる!」を教室内でやってから具体的に話し、発表はハードルが高いと思っている人にはPC操作係や発表をつなぐ挨拶を提案&励ましをしてみるということになりました。

その結果、次第に参加希望者が増え「人前で発表するのはちょっと…」と言っていた学生も、応援なら、はじめの挨拶やお手伝いなら、と最終的に7名が参加することになりました。(発表者2名、進行&挨拶1名、PC係1名、資料配布係3名)

◆初中級4課話読聞書&できる!

『できる日本語初中級』第4課「住んでいる町で」の行動目標は、「日本の生活を楽しむために住んでいる町の情報を教えあって、その情報をもとに行動することができる」です。

授業ではまず、話読聞書でお互いの「よく行くところ」について話し、そのあと書いた作品で「A7雑誌」を作成しました。課のゴールの「できる!」の時間には、そのA7雑誌を見ながら、情報交換をしました。冊子形式にしたのは、授業内では全員と情報交換ができないこと、実際にその場所に行くとき手元に情報があると良いと考えて、このようにしました。

◆なかの国際交流フェスタ当日

発表した学生は、多くの方々の前で堂々と熱意を込めて発表することができました。それぞれ紹介した場所のお気に入りポイントもユニークで会場も笑顔に包まれました。進行&挨拶、PC操作、資料配布の連携もバッチリでした!この資料とは、先ほど紹介した冊子「A7雑誌」です。

発表した2名の作品をご紹介します。

◆参加した学生からのコメント

周さん:中国にいるとき、発表をしたことがありませんでしたから、この度の発表は初めてです。とても緊張しました。でも、いい経験だと思います。みんなに自分の生活を言うのはうれしかったです。交流会は面白かったです。いろいろな外国人の日本の生活を知って、いい歌を聞きました。うれしい活動だと思います。

趙さん:発表のとき、もっときちんとした格好をすればよかったです。でも、楽しかったです。先生や同級生たちが応援してくれましたが、外は雪が降っていました。とくに、マイクの質がとても良くて、自分が話していないようで、とても不思議でした。すべて完璧です。学校や中野区が提供する機会に感謝します。今後ともよろしくお願いいたします。

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さらに当日来られなかったクラスメイトも、国際交流フェスタへ向かう学生に「頑張って」「後で動画と写真が欲しい」など様々な形で声掛けをしている様子も見られました。有志という形ではありましたが、発表する学生だけが頑張ったということは全くなく、クラス全体のこととして取り組めたと思います。

◆振り返り

今回は交流フェスタでは、発信だけとなりましたが、実は授業のとき「スポーツ施設の情報が知りたい」など、学生が知りたい情報もたくさん出てきました。「知りたい情報を聞く」といったこともできたらよかったなと思います。次回に活かしたいです。

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今回、学生にとっても担当教師にとってもいい経験になりました。途中、参加が難しいかもしれないと思うこともありました。しかし、コミュニケーションを取り、アイディアを出し合いながら、なかの国際交流フェスタという貴重な機会に前向きに取り組んだことで、授業から地域社会へつながる活動になったと思います。今後もこのような機会を大切にしながら、授業を考えていきたいと思います。

                            (実践:深田・横井・伊瀬知)

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