実践報告&現場の声

(現場の声-1)『できる日本語』との出会いその深さを知る 浜松日本語学院

浜松日本語学院
松葉 優子

『できる日本語』って深い!! というのが私の心境です。知れば知るほど「よく考えられている!」やはり10年以上長い年月をかけて作ったということがよく分かります。

嶋田先生と出会って7年、多くの学びがありました。そして、初めて『できる日本語』を手にして6年の歳月が経ちました。最初は地域の日本語教室で『できる日本語』を使っていましたが、2015年より現在勤めている日本語学校と縁があり、今度は日本語学校で『できる日本語』を使うことになりました。嶋田先生にも顧問になって頂きご指導を頂いております。

「できる日本語シリーズ」を使い始めて学校が大きく変わりました。学生も教師も…みんなが変わりました!まず、学生が休まなくなりました。出席状況が非常によくなったのは授業が楽しくなったからだと思います。では、なぜ「楽しい授業」になったのか。『できる日本語』はストーリーになっており、パクさんを中心に登場人物が学生と同じように学生生活を送っています。だからどの学生も自分がパクさんになれる、マルコさんの発言がわかる、なるほど、「○○のときにはこう言えばいいんだ」と実感できることはとても大きいと思います。特に初中級の第1課アルバイトの問い合わせと面接場面です。実際に教科書とアルバイトのチラシを握り締めて学校のロビーで電話をかけている学生を何人も見ました。学生にとって教科書に出てくるさまざまな場面はどれも実感があると思います。また、「できる!」の活動も学生が主体的にできるようになりました。最初は「教師が準備し学生が活動する」という考えでいたのですが、そうではなく教師が仕掛けることが大切で、きっかけを作ることにより学生が主体的に活動するようになりました。「できる!」の活動は学生たちが自信を持って教室の外へ出て行き、多くの方々と交流する機会となります。活動に意味を持つことはとても大切で単にイベントのようにしてはいけないということも授業を繰り返していく中でわかってきました。

このように繰り返していく中で学生のみならず教える側の教師も変わりました。学内での研修や勉強会で『できる日本語』のコンセプトや特徴、使い方を理解することができました。使っていくうちに教師自身がこれでいいのかという疑問を持つようになりました。そこで私たちに足りなかった「協働性」「同僚性」を嶋田先生の講義を通して意識するようになりました。実は、『できる日本語』を使えば使うほどいろいろなものが見えてきます。「別冊」の中身や問の提出順序、「別冊」と「言ってみよう」との関連性、コマイラストがどうして①-1と①-2に分かれているのか。「みたい」と「ようです」が同じスモールトピックで出ているなど、そこにはすべてに理由があり、それに気づいた時の驚きやその発見について仲間と共有しています。その理由を知ろうとすることで教師間で対話が生まれています。こういったことが「教師力アップ」に繋がっていっているというのも実感しています。

『できる日本語』を使うと、長い時間をかけて作ってこられた先生方のお考えやお気持ちを知りたくなります。「なぜここはこのようになっているのだろう…。」と、「なぜ」「どうして」と思うことが多いです。そして先生方はどのような対話を重ねて作ってこられたのだろうかと思うこともよくあります。『できる日本語』を深く知りたい、知ろうと思うことで仲間との対話が自然と生まれてきます。作ってこられた先生方と同じように私たちも「なぜ」「どうして」と疑問を持ちつつ対話を重ねて『できる日本語』を深く知りたいと思います。きっと深く知っていくことで着実に教師に力がつくのだろうと思います。仲間たちと一緒に「教師力アップ」を目指します!

『できる日本語』を使っている先生・学校の声 【浜松日本語学院】

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